Flips 開発チームです。「単語帳アプリ」で探すと、英単語の単語帳が最初から入っているアプリと、自分で単語を登録して作るアプリが同じ一覧に並んで出てきます。名前はどちらも単語帳アプリですが、向いている人ははっきり違います。来週の単語テストの範囲を覚えたい人が既製の単語帳しかないアプリを入れると、テストに出る語が入っていなくて手が止まります。反対に、試験によく出る語を手早く回したい人が自作しかできないアプリを入れると、1語ずつ登録しているうちに疲れてしまいます。私たちは単語帳アプリを作りながら、続かなかった理由の多くが、機能の差ではなくこの「型の選び違い」にあると感じてきました。
先に結論を書いておきます。覚える語がもう決まっている(授業や単語テストの範囲、仕事の専門用語)なら自作できるアプリを、何から覚えればいいか分からない段階なら収録型から選ぶのが近道です。どちらの場合も、続くかどうかを最後に分けるのは「今日どの単語を復習するか」をアプリが決めてくれるかどうかでした。私たちのFlipsは、収録デッキですぐ始めて、足りない語は自分のデッキに登録できる両対応型です。復習の順番は忘却曲線に合わせて自動で決まります。ひとりで1台で使う分は学習機能を無料で全部使えて、複数の端末でカードを同期したいときだけ有料の「BitFlap One」を用意しています。
収録デッキですぐ始められて、自分の単語帳も作れる単語帳アプリです。忘れる前のカードから自動で出題し、CSV / TSV取り込みと読み上げに対応。学習機能は無料(広告あり)で使えます。
Flipsの詳細を見る単語帳アプリは「収録型・自作型・両対応」の3タイプに分かれる
ストアの説明文を読み比べても違いがつかみにくいのは、どの単語帳アプリもカードをめくる・テストする・復習するという機能を一通り持っているからです。差が出るのは、覚える単語がどこから来るか。ここで3つに分かれます。
収録型は、英単語などの既製の単語帳がアプリに入っていて、それを順に覚えていくタイプです。インストールしたその日から始められ、発音の音声や例文が付いていることも多いので、資格試験や入試の頻出語を手早く回したい人には合っています。一方で、覚える語はアプリが用意した範囲から選ぶことになります。先生が配ったプリントの語、授業で出てきた語、仕事の専門用語のように、収録されていない語は覚えられません。無料で使えるのは一部のレベルや語数までで、残りは有料にしているアプリも多いタイプです。
自作型は、覚えたい単語と意味を自分で登録して単語帳を作るタイプです。紙の単語帳をそのままスマホに移したような使い方で、学校の単語テスト、教科書の新出語、古文単語、資格の用語など、範囲を自分の教材にぴったり合わせられます。代わりに、最初の登録に手間がかかります。1語ずつ手で打ち込むしか方法がないアプリだと、50語のテスト範囲を入れ終わる前に気持ちが折れることもあります。どのカードをいつ見直すかも、自分で決める作りのものが少なくありません。
収録+自作の両対応は、収録された単語帳で始めて、足りない語は自分で作った単語帳に足していくタイプです。Flipsはこの型にしました。まず収録デッキで使い方に慣れ、授業や単語テストが始まったら自分のデッキを作る、という移り方ができます。復習の順番はどちらのデッキでも忘却曲線に合わせて自動で決まるので、収録デッキと自作デッキが増えても「今日はどれから」を考える必要はありません。
| 比較軸 | 収録型 | 自作型 | 収録+自作の 両対応(Flips) |
|---|---|---|---|
| 自分の教材・授業の範囲に合わせられるか | 収録された語の中から選ぶ。収録外の語は足せないことが多い | 合わせられる。覚えたい語を自分で登録する | 合わせられる。収録デッキにない語は自分のデッキを作って登録する |
| 始めるまでの手間 | ほぼ不要。入れてすぐ始められる | 最初に単語と意味を入力する。まとめて取り込めないアプリもある | 収録デッキならすぐ始められる。自作はCSV / TSVでまとめて取り込める |
| 発音・読み上げ | 収録語に音声が付いていることが多い | アプリによる。自分で登録した語は読み上げないものもある | 音声読み上げに対応(対応言語は端末の環境による) |
| 復習の順番・タイミング | アプリによる。収録順に進むものも多い | 自分で決めることが多い | 忘却曲線に合わせて、忘れる前のカードを優先出題。通知で知らせる |
| テスト形式 | 意味を選ぶ選択式など、アプリが用意した形式 | カードをめくる形式が中心のことが多い | カードをめくる(スワイプで覚えた/覚えていない)と4択クイズ |
| 無料で使える範囲 | 一部のレベルや語数までで、残りは有料のことが多い | 登録枚数や単語帳の数に上限があることが多い | 学習機能は無料(広告あり)。複数端末の同期だけBitFlap One |
| 対応OS | アプリによる | アプリによる | iPhone / Android |
単語に限らず、年号や用語、資格の知識まで含めて暗記アプリ全体をどう選ぶかは、暗記アプリの選び方とおすすめで教材の用意のしかた別に整理しています。この記事では、単語帳として使うときに効いてくる条件に絞ります。
選ぶときに見るべき4つの条件
タイプの見当がついたら、あとは細かい条件で絞ります。私たちがFlipsを設計するときに、ここだけは外せないと考えたのがこの4つです。
覚えたい語を自分で足せるか。 収録型で始めるつもりでも、ここは確認しておく価値があります。英単語の単語帳を1冊回していても、模試で知らなかった語、長文で引っかかった語は必ず出てきます。それを同じアプリに足せないと、紙のメモとアプリの二重管理になり、結局どちらかを見なくなります。自作するなら、1語を登録するのに何回タップするか、表計算ソフトやメモで作った単語リストをまとめて取り込めるかも見ておきたいところです。
復習の順番を自分で考えなくていいか。 単語帳で一番疲れるのは、覚える作業そのものより「今日はどこから見直すか」を毎回決めることです。忘却曲線(覚えた内容が時間とともに抜けていく様子を表した曲線)に合わせて、忘れかけた語を先に出し、覚えた語は間隔を空けて出す。間隔反復(SRS)と呼ばれるこの仕組みがあれば、200語の単語帳でも開いた瞬間にやる語が決まっています。仕組みの詳しい比較は忘却曲線を活用した暗記アプリ徹底比較に書いています。
読み上げがあるか。 英単語や韓国語・中国語の語彙は、つづりと意味だけを覚えても、聞いたときに分からなければ使えません。収録型は音声付きのことが多い一方、自作型では自分で登録した語を読み上げられないアプリもあります。自分の単語帳を作るつもりなら、自作した語でも読み上げが使えるかを確かめてください。
無料でどこまで使えるか。 単語帳は作り込むほど手放しにくくなります。300語を登録したあとで登録枚数の上限に当たったり、1日の学習回数が制限されたりすると、その単語帳ごと別のアプリに移すことになります。登録できる枚数、単語帳の数、1日の学習回数、収録語のうち無料で使える範囲、広告の有無。始める前にこのあたりを見ておくと、途中で乗り換えずに済みます。
Flipsはどう作ったか
Flipsを作り始めたとき、最初に悩んだのが「収録型にするか、自作型にするか」でした。収録デッキだけにすると、学校の単語テストや授業の範囲には使えません。自作だけにすると、入れた直後に覚えるものがなく、何もしないまま閉じられてしまいます。そこで両方を持たせ、どちらのデッキでも復習の順番は同じ仕組みで決めることにしました。英語・スペイン語・中国語などはレベル別の収録デッキがあり、入れてすぐに始められます。
自作のほうは、登録の手間をできるだけ削りました。デッキ名と表・裏の言語を選べば、すぐにカードを足せます。表計算ソフトやメモで作った単語リストはCSV / TSVで取り込めるので、先生が配った単語リストや自分でまとめた一覧を、1語ずつ打ち込まずにデッキにできます。カードには解説メモも追加でき、語源や間違えやすい点を書き添えておけます。読み上げをオンにすれば、自分で登録した単語も音声で確認できます(対応言語は端末の環境によります)。
復習は、忘却曲線に合わせて忘れる前のカードから優先して出題します。覚えたカードは次に出るまでの間隔が伸び、忘れかけたカードはすぐにまた出てきます。単語一覧では各カードの定着度を忘却ゲージとしてパーセントで表示しているので、どの単語が抜けかけているかが一覧を開いただけで分かります。ホームには「覚えた/忘れかけ/未学習」の割合を円グラフで、今日やる枚数と一緒に出しています。
学習モードは、カードをめくってスワイプで「覚えた/覚えていない」を振り分けるモードと、4択クイズの2つです。めくって自分で思い出す練習と、選択肢から選ぶ確認を行き来できれば、単語の暗記はほとんどまかなえると考えました。復習のタイミングは通知で知らせ、連続学習日数(ストリーク)も表示します。
英単語のほか、古文単語、日本史・世界史の用語、化学・生物の重要語、TOEIC・英検・IT・医療・法律などの資格の用語、韓国語や中国語の語彙まで、「問い→答え」の形にできるものなら同じ使い方で単語帳にできます。画面の表示は34言語に対応しています。
料金は、デッキの作成と取り込み、収録デッキでの学習、忘却曲線に合わせた出題、カードめくりと4択クイズ、読み上げ、通知といった学習機能を無料で使えます(広告が表示されます)。ひとりで1台で使う分は無料で全部使え、有料の「BitFlap One」が必要になるのは、複数の端末でカードを同期したいときだけです。iPhone・Androidの両方に対応しています。一方で、ほかの人が作った単語帳を検索して使う共有ライブラリ、写真から単語帳を自動で作る機能、ランキングや友だち機能、例文や発音記号を自動で付ける機能は持っていません。単語帳は自分で作るか収録デッキを使う、という割り切った作りです。
Flips
収録デッキでも自作の単語帳でも、忘れる前のカードから自動で出題。CSV / TSV取り込み、読み上げ、カードめくりと4択クイズ。学習機能は無料(広告あり)、iPhone / Android対応。
Flipsについて詳しく見る単語帳アプリを続けるコツ
どのアプリを選んでも、つまずきやすいのは入れた直後です。私たちがいつも伝えているのは、1日にやる枚数を小さく始めること。単語帳1冊分を初日に登録すると、数日後に復習の枚数が一気に膨らみ、開くのが億劫になります。最初の1週間は、今日の授業で出てきた語や今週のテスト範囲だけを入れ、1日の枚数が少ないうちに「開けば終わる」感覚をつかんでください。
自作するなら、デッキは授業や単語テストの範囲ごとに分けるのがおすすめです。「英単語」1つに全部入れると、テスト前にその範囲だけを回したいときに探せません。「第5回単語テスト」「古文 2学期」のように範囲で切っておけば、直前はそのデッキだけを回し、テストが終わったら忘却曲線の復習に任せる、という使い分けができます。カードの表と裏に何を書けば覚えやすいかは、暗記カードの作り方で詳しく書いています。
もうひとつは、間違えた語だけを回すことです。全部の単語を毎回同じように見直すより、覚えていなかった語に時間を寄せたほうが、同じ10分でも残る量が違います。Flipsは忘れかけのカードほど早く出る作りなので、続けるうちに自然と苦手な語に時間が寄っていきます。やり方は苦手な単語だけ集中して覚える方法にまとめました。紙の単語帳と併用するかどうかで迷っている人は、紙の単語帳とアプリの比較も参考にしてください。
よくある質問
単語帳アプリは無料で使えますか?
無料で使える単語帳アプリは多いですが、登録できる枚数、1日の学習回数、収録語のうち無料で使える範囲に上限があるかはアプリごとに違います。Flipsは、デッキの作成やCSV / TSVの取り込み、収録デッキでの学習、忘却曲線に合わせた出題、カードめくりと4択クイズ、読み上げといった学習機能を無料で使えます(広告あり)。有料の「BitFlap One」が必要になるのは、複数の端末でカードを同期したいときだけです。
英単語以外の単語帳も作れますか?
作れます。Flipsはデッキを自分で作れるので、古文単語、日本史・世界史の用語、化学・生物の重要語、TOEIC・英検・IT・医療・法律などの資格の用語、韓国語や中国語の語彙など、「問い→答え」の形にできるものなら単語帳にできます。カードには解説メモも追加できます。
紙の単語帳とどちらがいいですか?
いちばんの違いは復習の順番です。紙の単語帳では、どのカードをいつ見直すかを自分で決める必要がありますが、アプリなら忘却曲線に合わせて忘れかけた語を先に出せます。一方、手で書きながら覚えたい漢字やつづり、図を描き込みたい内容は紙が向く場面もあります。紙に書いて覚え、確認と復習をアプリで回す併用もできます。
iPhoneとAndroidで使えますか?
FlipsはiPhoneとAndroidの両方に対応しています。どちらも学習機能は無料で使えます(広告あり)。複数の端末でカードを同期したい場合は、有料の「BitFlap One」を利用できます。
単語帳は自分の範囲で作り、復習の順番はFlipsに任せる 収録デッキで始めても、授業の単語を自分で登録しても大丈夫。今日やる枚数が決まり、忘れかけた単語から出題します。学習機能は無料(広告あり)・iPhone / Android対応。