Flips の開発チームです。元素記号は、理科で最初にぶつかる「純粋な暗記」です。H が水素で O が酸素、ここまではいい。ところが Na がナトリウム、K がカリウム、Ag が銀と、記号と名前の見た目が結びつかないものが混ざり始めたところで、多くの人が止まります。私たち自身もそうでしたし、暗記アプリを作るようになってから、テスト前に元素記号のカードを大量に作っているユーザーをたくさん見てきました。この記事では、定番の語呂合わせで原子番号1〜20番を一気に入れる手順と、そのあと語呂だけでは抜けてしまう理由、テストで実際に書けるところまで定着させるやり方をまとめます。
先に結論だけ書くと、語呂合わせで「順番」を入れ、カードで「記号⇄名前」の両方向を回す、この2段構えがいちばん確実です。語呂は入口としてとても優秀ですが、語呂だけだと「Si は何番目か」は言えても「ケイ素の記号を書け」に手が止まります。その理由も後で説明します。
Flips を無料でダウンロード 元素記号のような1問1答をカード化し、4択クイズで解いて、間違えたものだけを忘却曲線に沿って復習できる暗記アプリです。
語呂合わせ「水兵リーベ僕の船」で1〜20番を入れる
原子番号1番から20番までは、昔から使われている語呂合わせがあります。まずはこれを声に出して数回読んでください。意味は考えなくて構いません。
水兵リーベ 僕の船、七曲がり シップス クラークか、閣下
この語呂は、元素記号を頭から順に読み上げたものです。「水兵(H・He)」「リーベ(Li・Be)」「僕の船(B・C・N・O・F・Ne)」「七曲がり(Na・Mg・Al)」「シップス(Si・P・S)」「クラークか(Cl・Ar・K)」「閣下(K・Ca)」。語呂の音と記号を1つずつ対応させたのが次の表です。ここで大事なのは、語呂の一音一音が、どの記号に当たるのかを指で追いながら確認すること。音だけ覚えても、記号に変換できなければ意味がありません。
| 番号 | 記号 | 元素名 | 語呂の対応 |
|---|---|---|---|
| 1 | H | 水素 | すい |
| 2 | He | ヘリウム | へい |
| 3 | Li | リチウム | リー |
| 4 | Be | ベリリウム | ベ |
| 5 | B | ホウ素 | ぼ |
| 6 | C | 炭素 | く |
| 7 | N | 窒素 | の |
| 8 | O | 酸素 | ふ(O) |
| 9 | F | フッ素 | ふ(F) |
| 10 | Ne | ネオン | ね |
| 11 | Na | ナトリウム | なな |
| 12 | Mg | マグネシウム | まが |
| 13 | Al | アルミニウム | り(アル) |
| 14 | Si | ケイ素 | シッ |
| 15 | P | リン | プ |
| 16 | S | 硫黄 | ス |
| 17 | Cl | 塩素 | クラー |
| 18 | Ar | アルゴン | ク |
| 19 | K | カリウム | か/閣 |
| 20 | Ca | カルシウム | 下 |
「ふね」の「ふ」に O と F の2つが対応している点と、「クラークか」の「か」と「閣下」の「閣」がどちらも K を指している点は、語呂を初めて使う人が必ず混乱するところです。語呂は完璧な符号ではなく、順番を思い出すための手がかりだと割り切ってください。O と F は「酸素の次がフッ素」とセットで覚え、K は「クラークか」で1回、「閣下」で念押し、と理解しておけば十分です。
21番以降で必要なのは「よく出るもの」だけ
周期表は118番まで続きますが、中学・高校の定期テストや入試で書けなければいけない元素記号は、1〜20番のほかは限られています。全部を順番で覚えようとするのは遠回りで、21番以降は番号ではなく「記号と名前」だけを個別に覚えるのが現実的です。とくに次のものは、化学式や化合物の名前で繰り返し登場します。
| 記号 | 元素名 | 記号の由来・つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| Fe | 鉄 | ラテン語 ferrum。「鉄=Fe」は化学式で最頻出 |
| Cu | 銅 | ラテン語 cuprum。C(炭素)と混同しやすい |
| Zn | 亜鉛 | zinc。電池・イオン化傾向で登場 |
| Ag | 銀 | ラテン語 argentum。Au(金)との書き分けが頻出 |
| Au | 金 | ラテン語 aurum。Ag とセットで覚える |
| Hg | 水銀 | ラテン語 hydrargyrum。名前から想像しにくい代表 |
| Pb | 鉛 | ラテン語 plumbum。P(リン)と混同しやすい |
| Ba | バリウム | B(ホウ素)・Be(ベリリウム)と区別 |
| I | ヨウ素 | 1文字。デンプンの検出で登場 |
| Mn | マンガン | Mg(マグネシウム)との書き分けが頻出 |
表の右列を見ると分かるように、つまずくのは元素そのものではなく、Ag と Au、Mg と Mn、P と Pb のように「似た記号のペア」です。テストで失点するのもほぼここです。だからこの先の定着練習では、似たものを意図的に並べて出題するのが効きます。
語呂だけでは抜ける理由:思い出す方向が一方通行だから
語呂合わせで20番まで言えるようになったのに、テストで「ケイ素の元素記号を書け」と聞かれて固まる。これは記憶力の問題ではなく、練習した方向の問題です。語呂は「頭から順に唱えて記号を出す」練習しかしていません。テストで問われるのは「名前→記号」「記号→名前」という順番と無関係な取り出しで、こちらは一度も練習していないわけです。
私たちが Flips をカード形式にしているのは、この「取り出す方向」を練習の単位にしたかったからです。表に「ケイ素」、裏に「Si」のカードと、表に「Si」、裏に「ケイ素」のカードを別々に持てば、両方向を同じ重みで練習できます。読み返しではなく「見ないで思い出してから確認する」という流れは、アクティブリコール(白紙勉強法)のやり方で詳しく書いた考え方と同じです。
Flips
元素記号を自作デッキにして、カードと4択クイズの両方で練習。間違えたカードは忘却曲線に沿って出題間隔が自動で決まります。無料・iPhone / Android対応。
Flips について詳しく見る定着させる手順:カードにして、間違えたものだけ回す
具体的な手順は3段階です。まず、上の2つの表をそのままカードにします。1〜20番と、21番以降のよく出るものを合わせて30枚前後。「名前→記号」と「記号→名前」の両方向を作るなら60枚前後になりますが、1枚あたりの入力は数秒なので、10分もかかりません。番号まで問いたい人は、表に「14番」、裏に「Si・ケイ素」というカードを足してもいいでしょう。
次に、最初の1周は4択で解きます。Flips の4択クイズは登録したカードから自動で出題されるので、選択肢を自分で用意する必要がなく、「Ag・Au・Al・Ar」のような似た記号が選択肢に混ざることも多いので書き分けの練習になります。ここで間違えたカードだけが、あとの復習の対象です。20番まで語呂で言えていれば、初回から半分以上は正解できるはずで、残った「Hg」「Pb」「Mn」のような数枚に集中できます。
最後に、間違えたカードを日を空けて回します。復習の間隔を自分で決める必要はなく、Flips では忘却曲線をもとに次に出す日を自動で計算します。翌日、3日後、1週間後と間隔が伸びていき、その都度思い出せていれば「覚えた」と判定されます。テストの2週間前に始めれば、前日には似た記号のペアだけを見直す状態になっているのが目安です。間隔の考え方そのものは間隔反復のやり方にまとめています。
覚え方の比較:語呂・書き取り・カード
| 方法 | 向いていること | 限界 |
|---|---|---|
| 語呂合わせ | 1〜20番の順番を短時間で入れる | 「名前→記号」の取り出しは練習できない。21番以降に語呂がない |
| ノートに書き取り | 綴りを手で覚える。Cl や Mg の大文字小文字を体で覚える | 覚えたものも毎回書くので時間がかかる。復習の間隔を管理できない |
| 暗記カード(アプリ) | 両方向の取り出し、似た記号の書き分け、間違えたものだけの復習 | 最初にカードを作る手間がある(30〜60枚で10分程度) |
3つは対立するものではなく、順番に使うものです。語呂で骨組みを入れ、一度は自分の手で書いて綴りを確かめ、あとはカードで間違えたものだけを回す。私たちが見てきた限り、元素記号でつまずく人の多くは語呂で止まっていて、そこから先の「取り出す練習」をしていないだけです。
よくある質問
元素記号は何番まで覚えればいいですか?
中学理科なら1〜20番の主要なものと、Fe・Cu・Zn・Ag・Ba などよく出る記号で足ります。高校化学では1〜20番を番号ごと覚え、それ以降は Au・Hg・Pb・Mn・I など化合物や反応式で登場するものを個別に覚えるのが一般的です。118番まで順番で覚える必要はありません。
語呂合わせ「水兵リーベ僕の船」はどこまで対応していますか?
「水兵リーベ僕の船」で1〜10番(H〜Ne)、「七曲がりシップスクラークか」で11〜19番(Na〜K)、「閣下」で19〜20番(K・Ca)までです。「ふね」の「ふ」が O と F の2つ、「か」と「閣」がどちらも K を指す点だけ注意してください。
語呂で言えるのにテストで書けないのはなぜですか?
語呂は「頭から順に唱える」練習で、テストで問われる「名前から記号を書く」「記号から名前を答える」という取り出し方を練習していないためです。「名前→記号」「記号→名前」の両方向でカードを作り、順番と無関係に取り出す練習をすると解消します。
Ag と Au、Mg と Mn のように似た記号を書き分けるコツは?
由来を一度確認したうえで(Ag は argentum、Au は aurum)、似たものを意図的に並べて出題するのが効きます。登録したカードから自動で出題される4択クイズなら、似た記号が選択肢に混ざることが多く、書き分けの練習になります。
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